アニメ・声優

声優は養成所と専門学校どっち?学費と所属の仕組みで比較

声優は養成所と専門学校どちらかを比較。専門学校は2年で266万〜306万円、養成所は年間数十万円

「声優になるには養成所と専門学校のどっち?」「学費がぜんぜん違うのはなぜ?」。

調べると比較記事は出てきますが、書いている側が学校か養成所のどちらかに寄っていることがほとんどです。判断材料にはなりません。

本記事では、2つの違いを学費と所属の仕組みで整理します。

読み終えるころには、自分がどちらに向いているかと、確認すべき項目が分かります。

この記事でわかること

  • 運営する主体が違うため目的も違うこと
  • 養成所には入所オーディションがあること
  • 2年間の費用が60万円と306万円で違うこと
  • 受けられる事務所の数が違うこと
  • 順番に通うという選択肢もあること

この項目の情報基準日:

この記事の情報源

専門学校の学費は各校が公表している金額を整理したものです。養成所の費用は入所金と月謝の一般的な目安で、所属先やレッスン回数によって大きく変わります。制度は変更される場合があるため、必ず志望先の公式情報でご確認ください。

クリエイター進学ナビ 編集部 各学校が公表する募集要項・学校案内・公式サイトをもとに、クリエイター系専門学校の学費・課程・入試・就職を調査し執筆しています。掲載内容には情報基準日を明記しています。

目的が違う2つの機関

まず前提から確認します。この2つは、運営している主体が違います。

運営する主体が違うため、目的も違う

声優養成所

  • 声優プロダクションが運営
  • 自社に所属させる人を育てる
  • 即戦力の育成が中心
  • 基礎は省かれる場合がある

声優の専門学校

  • 教育機関が運営
  • 基礎から体系的に教える
  • 未経験者を受け入れる
  • 幅広い科目を扱う

養成所は事務所の採用活動の一部。専門学校は教育の場。この違いがすべての差を生む。

図1:運営主体と目的の違い

養成所は声優プロダクションが運営し、専門学校は教育機関が運営します。

養成所は事務所の採用活動

養成所の目的は、自社に所属させる声優を育てて発掘することです。教育そのものが目的ではありません。

そのため即戦力の育成が中心になり、基礎的な指導は省かれる場合があります。

専門学校は基礎から教える

一方で専門学校は教育の場です。発声、演技、アフレコ実習まで体系的に組まれています。

未経験者を受け入れる前提の設計になっており、幅広い科目を扱います。

入る条件が違う

最初の分かれ目がここです。入り方が違います。

入るときの条件が違う

声優を目指すと決める

▼

養成所へ行く

  • 入所オーディションがある
  • 合格しないと入れない
  • ある程度の経験が前提

専門学校へ行く

  • 入学オーディションはない
  • 未経験でも入れる
  • 高校卒業が条件

まったくの未経験なら、養成所のオーディションに受かること自体が壁になる。

図2:入るときの条件

養成所には入所オーディションがあり、合格しないと入れません。専門学校に入学オーディションはありません。

未経験なら養成所の入口が壁になる

養成所は、ある程度の経験がある人を前提とする場合があります。まったくの未経験だと、オーディションに受かること自体が難しくなります。

高校卒業と同時に目指すなら、この点は現実的な制約になります。

学費の桁が違う

金額を並べます。ここが最も目につく違いです。

2年間で払う金額(目安)

養成所(週1回・2年)60万円
養成所(週2〜3回・2年)120万円
専門学校 2年制(下限)266万円
専門学校 2年制(上限)306万円

養成所の金額は入所金と月謝の合計の目安。所属先や回数で大きく変わる。

図3:2年間の費用比較

専門学校は2年で266万〜306万円、養成所は2年で60万〜120万円程度が目安です。

安さの理由はレッスンの量

ただし単純な比較にはなりません。授業の量がまったく違います。

安さの理由はレッスンの量にある

養成所

  • 週1〜3回のレッスン
  • 仕事や学業と両立できる
  • 自主練習が前提になる

専門学校

  • 平日は毎日通う
  • 設備を自由に使える
  • 他分野の科目も学べる

単純な金額比較にはならない。1回あたりの費用で見ると差は縮まる。

図4:レッスンの量の違い

養成所は週1〜3回、専門学校は平日毎日です。1回あたりの費用で見ると、差は縮まります。

養成所が安いのは、通う回数が少ないためです。そのぶん自主練習が前提になります。

声優分野の学費と進路は、別記事で整理しています。

診断:あなたに合うのはどちらか

いまの状況に、いちばん近いものを1つ選んでください。

専門学校から始めるのが現実的です

養成所は入所オーディションがあり、ある程度の経験を前提とする場合があります。基礎から学べる環境のほうが進みやすくなります。

養成所のオーディションを受けられます

基礎ができているなら、実践中心の環境が合います。費用も2年で60万〜120万円程度に抑えられます。

養成所か、夜間・日曜の課程を選ぶ

養成所は週1〜3回のため両立しやすい設計です。専門学校にも夜間や日曜に通える課程を置く学校があります。

その事務所の養成所を受けてください

養成所は運営元への所属を前提とした仕組みです。目標が明確なら、最短の道になります。

養成所のほうが2年間の総額は低い

専門学校の266万〜306万円に対し、養成所は60万〜120万円程度です。ただしレッスンの量が違うため、単純比較にはなりません。

費用は所属先と回数で大きく変わります。必ず個別に確認してください。

受けられる事務所の数

費用よりも結果に効いてくるのがここです。所属オーディションの仕組みが違います。

所属オーディションで受けられる事務所の数が違う

養成所

運営元の1社

提携先を含む場合も

▼

深く見てもらえる

専門学校

数十社を招く

学内オーディション

▼

広く受けられる

結果

性質が違う

1社に賭けるか広く受けるか

▼

戦略が変わる

養成所は毎週その事務所の関係者に見られる。専門学校は1回で多数に見てもらう。

図5:所属オーディションの違い

養成所は運営元の1社が基本です。提携先を含む場合もありますが、範囲は限られます。

専門学校は数十社を招く

専門学校には事務所の縛りがないため、できるだけ多くの事務所を招いてオーディションを開催します。

1社に深く見てもらうか、多数に1回見てもらうかという違いです。どちらが有利とは言えません。

養成所は毎週見られている

養成所では、レッスンそのものが選考の場になります。毎週その事務所の関係者に見られる環境です。

継続的に評価されるぶん、1回のオーディションより実力が伝わりやすい面があります。

レッスンの量と中身

両者の条件を並べて整理します。

項目 声優養成所 声優の専門学校
運営 声優プロダクション 教育機関
入るとき オーディションあり オーディションなし
2年間の費用 60万〜120万円程度 266万〜306万円
レッスン 週1〜3回 平日毎日
受けられる事務所 運営元と提携先 数十社
両立 仕事・学業と可能 専念が前提

設備の差も見ておく

専門学校にはアフレコブースや録音設備があり、授業時間外にも使える場合があります。

養成所はレッスン時間のみの利用が基本です。練習量を確保できるかは、環境で変わります。

両方に通うという道

どちらか一方を選ぶ話として語られがちですが、順番に通う人もいます。

順番に通うという選択肢もある

  • 高校卒業専門学校に入る未経験から基礎を学ぶ
  • 1〜2年目発声・演技・アフレコ設備を使って練習する
  • 卒業前学内オーディションを受ける数十社が来る
  • 決まらなければ養成所のオーディションへ基礎があるぶん有利になる
  • 養成所で所属審査を受ける合格すればデビュー

どちらか一方ではなく、順に通う人が一定数いる。ただし費用と年数は積み上がる。

図6:専門学校から養成所へ進む道

専門学校で基礎を固め、卒業時に決まらなければ養成所のオーディションを受ける流れです。

基礎があるぶん有利になる

養成所は経験者を前提とする場合があるため、専門学校で2年学んだ状態なら通りやすくなります。

ただし費用と年数は積み上がります。専門学校の300万円に養成所の費用と、さらに1〜2年が加わる計算です。

この道を選ぶなら、卒業後の生活費まで含めて試算してください。

どちらを選ぶかの判断

ここまでを踏まえると、判断は経験の有無と年齢で分かれます。

どちらが向いているか

養成所が向く

  • すでに演技の経験がある
  • 働きながら通いたい
  • 行きたい事務所が決まっている
  • 20代後半以上

専門学校が向く

  • まったくの未経験
  • 高校卒業後すぐ目指したい
  • 設備を使って練習したい
  • 仲間と学びたい

経験の有無と年齢で分かれる。未経験の高校生なら専門学校が現実的な入口になる。

図7:向いている人の条件

演技の経験がある人や、働きながら目指す人、行きたい事務所が決まっている人は養成所が合います。

未経験の高校生なら専門学校

まったくの未経験で高校卒業後すぐに目指すなら、専門学校が現実的な入口です。

基礎から学べる環境と、設備を使える時間が確保できます。同じ目標を持つ仲間ができる点も、続けるうえで効いてきます。

夜間・日曜という選択肢

専門学校のなかには、夜間や日曜に通える課程を置く学校もあります。

働きながら基礎を学びたい場合、養成所以外の選択肢としてこれも検討する価値があります。

選ぶときの5つの手順

ここまでの内容を、確認の順番に落とします。

選ぶときの5つの手順

自分に演技の経験があるかを確認する

▼

行きたい事務所が決まっているかを考える

▼

2年間で払える金額を試算する

▼

所属オーディションの回数と事務所数を聞く

▼

体験レッスンで実際の指導を受ける

最後は必ず体験する。指導の厳しさと相性は、資料では分からない。

図8:確認の手順

経験の有無を確認し、志望事務所の有無を考え、費用を試算する。そのうえでオーディションの条件を聞き、体験レッスンを受ける流れです。

最後は必ず体験する

指導の厳しさと講師との相性は、資料では分かりません。実際にレッスンを受けて確かめてください。

両方の体験を受けてから決めるのが確実です。同じ質問をして、答え方の違いを見るのも判断材料になります。

診断:説明会・体験で何を聞くべきか

いちばん知りたいことに近いものを1つ選んでください。

所属実績を人数と年度で聞く

「所属者多数」では判断できません。直近の年度で何人が、どの事務所に所属したのかを確認してください。

回数と参加する事務所数を聞く

専門学校なら年に何社が来るのか、養成所なら審査が何回あるのかを確認してください。ここが結果を左右します。

体験レッスンを受けて確かめる

資料では分かりません。実際に指導を受けて、講評の内容と自分との相性を確かめてください。

在籍者数の推移を聞く

入所時と修了時の人数が分かれば、続けられる環境かどうかの目安になります。答えにくい質問ほど有益です。

修了後の進路を聞く

所属できなかった人がどうしているかを確認してください。他分野への就職支援があるかどうかも判断材料になります。

よくある質問

養成所と専門学校の違いについて、多い5つの疑問に答えます。

どちらのほうがデビューしやすいですか?

一概には言えません。養成所は1社に深く見てもらえ、専門学校は数十社を受けられます。

仕組みが違うため、比較の軸そのものが変わります。

費用はどれくらい違いますか?

2年間で、養成所が60万〜120万円程度、専門学校が266万〜306万円です。ただしレッスンの回数がまったく違います。

未経験でも養成所に入れますか?

入所オーディションがあり、経験者を前提とする場合があります。まったくの未経験なら、基礎を学んでから受けるほうが確実です。

働きながら通えますか?

養成所は週1〜3回のため両立しやすい設計です。専門学校にも夜間や日曜に通える課程を置く学校があります。

両方に通う人はいますか?

います。専門学校で基礎を固めてから養成所を受ける道です。

ただし費用と年数が積み上がる点には注意してください。

まとめ:経験の有無で決まる

本記事では、声優の養成所と専門学校を、学費と所属の仕組みで比較しました。

費用の差は大きいものの、レッスンの量が違うため単純比較にはなりません。判断を分けるのは、演技の経験があるかどうかです。

未経験で高校卒業後すぐに目指すなら、専門学校が現実的な入口になります。

最後は必ず体験レッスンを受けてください。指導の厳しさと相性は、資料や口コミでは分かりません。