アニメ・声優

声優の年収はいくら?ランク制とギャラの仕組みを実額で解説

声優の年収をランク制から実額で解説。新人は1本15,000円、手元に残るのは約9,000円

「声優のギャラって1本15,000円って本当?」「それで生活できるの?」。

金額の相場はよく見かけますが、そこから何が引かれるのかは書かれていません。手元に残る額はもっと少なくなります。

本記事では、ランク制の仕組みと手取りの実額を計算しながら整理します。

読み終えるころには、レギュラーを1本持った場合にいくら入るのかが具体的に分かります。

この記事でわかること

  • ギャラがランク制で決まる仕組み
  • 新人の1本15,000円から何が引かれるか
  • レギュラー1本の月収は約39,000円であること
  • ランクが上がると依頼が減る構造
  • ランクを上げるかどうかは自分で決めること

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この記事の情報源

ギャラの金額は、日本俳優連合の出演規定をもとにした業界の相場として複数の資料で示されている範囲を整理したものです。事務所手数料の割合は所属先によって変わります。個別の条件は契約で決まるため、目安として扱ってください。

クリエイター進学ナビ 編集部 各学校が公表する募集要項・学校案内・公式サイトをもとに、クリエイター系専門学校の学費・課程・入試・就職を調査し執筆しています。掲載内容には情報基準日を明記しています。

ギャラはランク制で決まる

まず仕組みから確認します。声優のギャラは個別の交渉ではなく、ランクで決まります。

アニメのギャラはランク制で決まる

最初の3年

ジュニアランク

1本15,000円

▼

役の大小は関係ない

4年目以降

ランクが上がる

1本20,000円〜

▼

自己申告で決める

最上位

ノーランク

ギャラを交渉できる

▼

全体の1割程度

日本俳優連合の出演規定をもとにした仕組み。収録時間が5分でも1時間でも「1本」と数える。

図1:ランク制の構造

日本俳優連合の出演規定をもとにした制度で、デビューから3年間はジュニアランクが適用されます。

収録時間は関係ない

ジュニアの期間は、役の大小も収録時間も金額に反映されません。5分でも1時間でも「1本」と数えます。

同じ回で複数の役を演じても、支払われるのは1人分です。この点は業界特有のルールになります。

新人は1本15,000円

ランク別の金額を並べます。

1本あたりのギャラ(アニメ30分1話)

ジュニア(1〜3年目)15,000円
ランクが上がった段階20,000円
中位ランク30,000円
最高ランク45,000円

最高ランクに届くのは全体の1割程度。ここに達しても副業を続ける人が多いとされる。

図2:ランク別の1本あたりのギャラ

ジュニアが15,000円、ランクが上がると20,000円から、最高ランクで45,000円です。

立場 1本あたり 手取りの目安 月4話の手取り
ジュニア(1〜3年目) 15,000円 約9,750円 約39,000円
ランクが上がった段階 20,000円 約13,000円 約52,000円
中位ランク 30,000円 約19,500円 約78,000円
最高ランク 45,000円 約29,250円 約117,000円

最高ランクに届くのは1割程度

上位ランクに到達する人は限られます。そこに達しても副業を続ける人が多いとされています。

この金額はアニメ30分1話分です。次に、ここから何が引かれるのかを見ます。

手元に残るのは約9,000円

ここが上位の記事に書かれていない部分です。15,000円がそのまま収入になりません。

1本15,000円から引かれるもの

  • 事務所への手数料(2〜3割)3,750円
  • 源泉徴収(1割)1,500円
  • 手元に残る金額9,750円

手元に残るのは約9,000円台

手数料の割合は事務所によって変わる。3割なら手取りはさらに下がる。

図3:1本あたりの手取り

事務所への手数料が2〜3割、源泉徴収が1割引かれます。手数料が2割5分なら、手元に残るのは9,750円です。

3割なら9,000円を下回る

手数料の割合は事務所によって変わります。3割の事務所なら手取りは9,000円を下回ります。

所属先を選ぶときに、この割合を確認する意味がここにあります。

診断:あなたが知りたい金額はどれか

いちばん気になっているものを1つ選んでください。

1本15,000円、手取りは約9,000円台

アニメ30分1話分の金額です。事務所手数料2〜3割と源泉徴収1割を引くと、手元に残るのは9,000円台になります。

月4話で手取り約39,000円

週1話の放送なら月4話分です。レギュラーを1本持っても、ジュニアのうちは月4万円弱にとどまります。

最高ランクで1本45,000円

ただしここに届くのは全体の1割程度です。それ以上を望む場合はノーランクで交渉する立場になります。

外画の吹き替えは1時間5万円程度

洋画や海外ドラマはアニメより高い水準です。人気のある声優なら15万円になる場合もあるとされています。

最初の数年は副業が前提です

レギュラー1本では月4万円弱です。複数の仕事を持つか、別の収入源を確保する必要があります。

金額は事務所や案件によって変わります。目安として扱ってください。

レギュラー1本でいくらか

月収の形にしてみます。週1話放送のアニメなら月4話です。

レギュラー1本を持った場合の月収(ジュニア)

1話分のギャラ15,000円
1話分の手取り9,750円
月4話分のギャラ60,000円
月4話分の手取り39,000円

週1話の放送で月4話。レギュラーを1本持っても、手取りは月4万円弱にとどまる。

図4:レギュラー1本の月収

ギャラの合計は6万円、手取りは約39,000円です。

レギュラー1本では生活できない

アニメのレギュラーを獲得するのは簡単ではありません。それでも1本では月4万円弱にとどまります。

複数のレギュラーを持つか、別の分野の仕事を重ねる必要があります。デビューできても数年は副業が前提になる、という構造です。

ランクが上がると依頼が減る

この職種に特有の逆転があります。他の仕事と大きく違う点です。

ランクが上がると、起用されにくくなる

ジュニアの3年間

  • 単価が最も安い
  • 制作側が使いやすい
  • 本数をこなせる時期
  • 知名度を上げる勝負どころ

ランクが上がった後

  • 単価が高くなる
  • 制作側の予算は変わらない
  • 依頼が減る場合がある
  • 知名度がないと苦しくなる

経験を積めば収入が増える職種ではない。ジュニアの3年で実績を作れるかが分かれ目になる。

図5:ランクと依頼数の関係

制作側の予算は決まっています。ランクが上がって単価が高くなると、起用されにくくなります。

ジュニアの3年が勝負どころ

逆に言えば、ジュニアの期間は制作側から見て最も使いやすい立場です。本数をこなせる時期になります。

この3年でレギュラーを持ったり、知名度のある役を演じておかないと、ランクが上がった後に仕事が減ります。

「高いギャラを払ってでも使いたい」と思われる状態を作れるかどうかで、その後が決まります。

経験では収入が増えない

他の職種なら、経験を積めば収入が上がります。この業界はその前提が成り立ちません。

収入の考え方は、他のクリエイター職でも整理しています。

二次利用という収入

ギャラの話には、もう1つの要素があります。

アニメが再放送されたり、配信やソフト化されると、二次利用の対価が発生します。出演したときのギャラに上乗せされる形です。

作品が長く見られるほど入る

代表作を持つ声優が有利なのは、この仕組みがあるためです。過去の出演から収入が続く構造になっています。

ただし金額は再放送や配信の状況次第です。出演時に見込める額ではありません。

歌やイベントも収入になる

キャラクターソングやイベント出演も仕事の一部です。作品の人気に左右されますが、アニメのギャラより大きくなる場合もあります。

近年は演技以外の要素で起用が決まる場面も増えているとされ、歌やトークができるかが仕事量に影響します。

ランクは自己申告制

もう1つ、進学前には知られていない仕組みがあります。

ランクを上げるかどうかは自分で決める

ジュニアの3年間が終わる

▼

事務所と相談してランクを決める

▼

上げる

  • 1本あたりの単価が上がる
  • 依頼が減るリスクを負う

据え置く

  • 単価は変わらない
  • 起用され続けやすい

ランクは毎年4月1日に更新される。自己申告制のため、判断そのものが仕事になる。

図6:ランクを上げるかどうかの判断

ランクは自己申告制で、事務所と相談して決めます。毎年4月1日に更新されます。

上げるかどうかが判断になる

上げれば単価は上がりますが、依頼が減るリスクを負います。据え置けば単価は変わりませんが、起用され続けやすくなります。

実力と知名度を見て決める判断そのものが、キャリアの一部になります。

副業が前提になる理由と学費

収入の構造を踏まえて、学費との関係を整理します。

アニメ以外にも仕事の種類がある

外画の吹き替え

洋画・海外ドラマ

1時間で約50,000円

▼

アニメより高い

ナレーション

CM・番組・企業VP

拘束時間で決まる

▼

安定した依頼も

ゲーム・アプリ

収録本数が多い

案件ごとに条件が違う

▼

需要が伸びている

アニメだけを前提にすると収入が読めない。複数の分野を持つほうが安定する。

図7:声優の仕事の種類

アニメだけを前提にすると収入が読めません。外画の吹き替えは1時間で約5万円、ナレーションは依頼が安定しています。

複数の分野を持つほうが安定する

アニメ、外画、ナレーション、ゲームと仕事の種類があります。1つの分野に絞らないほうが収入は安定します。

学校選びでも、アニメ以外を扱う授業があるかを見る価値があります。

学費と卒業後の生活費

2年制の学費は266万〜306万円です。これに加えて、デビュー後2〜3年の生活費を見込む必要があります。

所属できても、すぐに食べていける水準にはなりません。この期間をどう支えるかが現実的な課題です。

学校を選ぶときの5つの手順

ジュニアの3年間をどう食べるか計画する

▼

所属できる事務所のオーディション回数を調べる

▼

学費と、卒業後2〜3年の生活費を試算する

▼

アニメ以外の分野も学べるか確認する

▼

在校生の所属実績を人数と事務所名で聞く

1番目が最重要。所属できても、最初の3年は副業が前提になる可能性が高い。

図8:確認の手順

3年間の生活を計画し、オーディションの回数を調べ、学費と生活費を試算する。そのうえで学べる分野を確認し、所属実績を聞く順番です。

養成所という選択肢との比較は、別記事で整理しています。

診断:説明会で何を聞くべきか

いちばん知りたいことに近いものを1つ選んでください。

所属実績を人数と事務所名で聞く

「所属者多数」では判断できません。直近の年度で何人が、どの事務所に所属したのかを確認してください。

年間の回数と参加事務所数を聞く

学内オーディションに何社が来るのかが結果を左右します。誰でも受けられるのか、選抜があるのかも確認してください。

ナレーションと外画の授業を聞く

外画の吹き替えはアニメより単価が高く、ナレーションは依頼が安定しています。これらを扱う授業があるかは重要です。

所属後も働きながら活動できるか聞く

ジュニアの3年間は収入が限られます。卒業生がどう生活しているのかを、具体的に聞いてください。

他分野への進路を聞く

所属できない人は一定数います。ナレーターや音響スタッフなど、声に関わる別の職種への実績があるか確認してください。

よくある質問

声優の収入について、多い5つの疑問に答えます。

新人のギャラはいくらですか?

アニメ30分1話で15,000円が相場です。事務所手数料と源泉徴収を引くと、手元に残るのは約9,000円台になります。

レギュラーを持てば生活できますか?

1本では難しい水準です。週1話の放送で月4話、手取りは約39,000円にとどまります。

ベテランになればいくらですか?

最高ランクで1本45,000円です。ただしここに届くのは全体の1割程度で、それ以上は交渉で決まります。

ランクが上がると収入は増えますか?

必ずしも増えません。単価が上がると制作側の予算に合わなくなり、依頼が減る場合があります。

アニメ以外の仕事はありますか?

あります。外画の吹き替えは1時間で約5万円、ほかにナレーションやゲームの収録があります。

複数の分野を持つほうが収入は安定します。

まとめ:ジュニアの3年で決まる

本記事では、声優の収入をランク制の仕組みから整理しました。

新人は1本15,000円で、手取りは約9,000円台です。レギュラーを1本持っても月4万円弱にとどまります。

しかもランクが上がると、依頼が減る場合があります。

勝負どころはジュニアの3年間です。学費に加えて、この期間の生活費をどう作るかまで計画してください。