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声優の専門学校とは?学費・養成所との違い・選び方を実額で解説

声優の専門学校の学費と選び方を実額で解説。入学金を含む総額は2年制で約306万円、養成所との違いも整理

「声優の専門学校って、実際いくらかかるの?」「養成所とどう違うのかが分からない」。

調べ始めた人がまず行き詰まるのがここです。学校紹介サイトには校名が並ぶだけで、比べる基準も養成所との違いも示されないからです。

本記事では、専門学校の学費と養成所との違いについて、学校が公開している実額をもとに解説します。

読み終えるころには、自分に向いているのはどちらか、そして卒業までにいくら必要になるのかが分かります。

この記事でわかること

  • 声優の専門学校で実際に学ぶ内容
  • 卒業までにかかる金額と、その内訳
  • 専門学校と養成所は何が違うのか
  • 「意味ない」と言われる理由と、その実際
  • 学校を比べるときに見るべき5つの基準

この項目の情報基準日:

この記事の情報源

学費は学校が公式サイトで公開している学生募集要項にもとづく実額です。学校や年度によって金額は変わるため、志望校の募集要項で最新の金額を必ずご確認ください。

クリエイター進学ナビ 編集部 各学校が公表する募集要項・学校案内・公式サイトをもとに、クリエイター系専門学校の学費・課程・入試・就職を調査し執筆しています。掲載内容には情報基準日を明記しています。

声優の専門学校では何を学ぶのか

声を出す練習だけをする場所ではありません。現場を想定した実務まで扱います。

授業で扱う3つの領域

基礎

声をつくる

発声・滑舌・呼吸・アクセント

毎日の反復が中心

演技

役を演じる

演技・朗読・ナレーション

講評を受けて直す

実務

現場を想定する

アフレコ・マイクワーク・オーディション対策

デビューの入口

アフレコはマイクの前での立ち位置や間の取り方まで含み、独学では再現しにくい領域。

図1:声優の専門学校で学ぶ内容

基礎、演技、実務の3つが柱になります。とくにアフレコはマイクの立ち位置や間の取り方まで含み、独学では再現しにくい領域です。

オーディション対策が組み込まれている

多くの学校で、在学中にプロダクションのオーディションを受ける機会が用意されています。学内オーディションを定期的に開く学校もあります。

ここが専門学校の実利にあたる部分です。授業の質より、受けられる回数のほうが結果に効いてきます

設備を使えることの意味

アフレコスタジオや録音機材は個人で用意できるものではありません。マイクの前に立つ経験を積める点は、学校ならではの環境です。

その設備維持費が学費に含まれています。次章で内訳を確認します。

設備の量と使える時間は学校で差が出ます。スタジオが何室あり、授業外で使えるかどうかまで見てください。

学費はいくらかかるのか

まず実例を見ます。代々木アニメーション学院の2027年度は、初年度1,674,500円です。

初年度1,674,500円の内訳(代々木アニメーション学院・2027年度)

  • 入学金200,000円
  • 年間授業料963,000円
  • 施設設備費434,500円
  • 教育関連諸費77,000円

スタジオや録音機材の維持費が施設設備費にあたる。入学金が乗るのは1年次だけ。

図2:初年度納入金の内訳

内訳は入学金200,000円、年間授業料963,000円、施設設備費434,500円、教育関連諸費77,000円です。

施設設備費が43万円を超えているのは、スタジオや録音機材の維持費が含まれるためです。声優分野の学費が高くなりやすいのは、この設備部分が理由になります。

卒業までの総額

年間の金額だけでは判断できません。卒業までの合計を出します。

入学金を含めた、卒業までの総額の実例

2年制3,063,000円
3年制3,795,750円

代々木アニメーション学院の2027年度の金額。学校により前後するが、2年制は300万円前後が目安。

図3:修業年数別の総額

2年制で3,063,000円、3年制で3,795,750円です。1年多く通うだけで、73万円上がります

学校によって金額は前後しますが、2年制で300万円前後というのが目安になります。免除制度を使えば実質負担は下がります。

教材費が別になる学校もある

学費に何が含まれるかは学校ごとに違います。テキスト代や教材費を学費に含む学校もあれば、別途としている学校もあります。

比べるときは、含まれる項目までそろえてください。表面の金額だけでは同じ土俵に乗りません。

あわせて免除制度も確認します。出願時期が早いほど免除額が大きくなる制度を持つ学校もあり、動く時期で数十万円変わります。

専門学校と養成所はどう違うのか

混同されやすい2つですが、成り立ちがまったく違います。

似ているようで、成り立ちがまったく違う

専門学校

  • 学校として運営される
  • 入学時の実技審査は緩やか
  • 基礎から体系的に学ぶ
  • 2〜3年で総額300万円前後

養成所

  • プロダクションが運営する
  • 入所審査で選抜される
  • 所属を前提にした稽古が中心
  • 1年単位・費用は学校より低め

養成所は所属への距離が近い一方、入所時点で一定の実力を求められることが多い。

図4:専門学校と養成所の違い

専門学校は学校として運営され、基礎から体系的に学びます。養成所はプロダクションが運営し、所属を前提にした稽古が中心です。

項目 専門学校 養成所
運営 学校法人または民間の運営会社 声優プロダクション
入口 実技審査は緩やか 入所審査で選抜される
期間 2〜3年 1年単位で更新
内容 基礎から実務まで幅広く 所属を見据えた実践中心
所属への距離 オーディションを受けて挑戦 内部進級で所属を目指す

養成所は所属への距離が近い一方、入所の時点で一定の実力を求められます。未経験なら専門学校から入る形が現実的です。

費用の比べ方にも注意が必要です。養成所は年単位のため一見安く見えますが、複数年通えば総額は膨らみます。

また養成所は進級審査があり、通らなければそこで終わります。安定して学べる期間という意味では、専門学校のほうが読みやすい設計です。

診断:あなたに向いているのはどちらか

いまの状況に、いちばん近いものを1つ選んでください。

専門学校

入学時に実技を問わない学校が多く、発声や滑舌から段階的に学べます。総額300万円前後を2〜3年かけて使う前提になります。

養成所も選択肢に入る

入所審査を通れば、所属に近い場所で稽古を積めます。費用も専門学校より抑えられることが多くなります。

高等部のある学校

通信制高校と併学して高卒資格と専門課程を同時に進められます。学校と高校の両方に学費がかかる点は確認が必要です。

夜間課程・通信課程のある学校

昼間の課程と学費が同額の学校もあります。授業時間が限られるため、自主練習の時間を確保できるかが鍵です。

オープンキャンパスや短期講座から

300万円を先に払う前に、アフレコ体験や無料講座で「続けられるか」を試すのが安全です。判断は1年遅れても問題ありません。

「意味ない」と言われる理由と実際

専門学校を否定する意見もあります。理由は主に2つです。

デビューが保証されないから

入学すれば声優になれる、という仕組みは存在しません。卒業しても所属が決まらない人のほうが多いのが実際です。

ただしこれは学校の問題ではなく、業界の構造です。募集枠に対して志望者が多い分野である以上、どのルートでも狭き門になります

卒業がゴールではなく、途中の通過点になる

在学中にオーディションを受け続ける

合格した場合

  • 養成所や事務所へ所属
  • そこから仕事の獲得が始まる

合格しなかった場合

  • 卒業後も受け続ける
  • 関連職に就いて業界に残る道もある

所属は仕事が約束される状態ではない。所属後に仕事が来るかは別の勝負になる。

図5:卒業後の分かれ道

養成所のほうが近道だから

もう1つの意見が、養成所から入ったほうが早いというものです。所属への距離という点では正しい指摘です。

ただし養成所には入所審査があります。未経験のまま受けて通らなければ、そもそもスタートラインに立てません。

専門学校で基礎を作ってから養成所に入る人もいます。どちらが正しいかではなく、自分がいまどの位置にいるかで決めてください。

「意味ない」と断じる意見の多くは、目的を決めずに入学した人の結果です。オーディションを受け続けた人の話とは分けて読む必要があります。

学校選びで見るべき5つの基準

校名を並べても比較にはなりません。同じ項目でそろえて初めて比べられます。

パンフレットではなく、この5つで比べる

1所属実績の中身

人数ではなく年度・学科・所属先を見る

2オーディションの機会

年に何社、何回受けられるか

3講師が誰か

現役かどうかと、指導の頻度

4設備と録音環境

アフレコスタジオの数と使える時間

5免除と返金の条件

免除の締切と、返金されない日付

図6:学校選びで見るべき5つの基準

所属実績は中身まで見る

「所属多数」という表記だけでは判断できません。確認したいのは次の3点です。

  • いつの卒業生の実績か
  • どの学科・どの校舎の実績か
  • 所属先のプロダクション名まで書かれているか

年度も学科も書かれていない実績は、比較材料になりません。説明会で聞けば具体的に答えてもらえます。

所属実績と、卒業後に個人で決めた実績が混ざっている場合もあります。在学中の成果なのかどうかまで確認してください。

オーディションの回数を聞く

もっとも実利があるのがこの項目です。在学中に何社のオーディションを受けられるかが、そのまま可能性の差になります。

提携プロダクションの数と、年間の実施回数を具体的に確認してください。答えを渋られる場合は、それ自体が判断材料になります。

認可校と無認可のスクールがある

見落とされやすい区別です。同じように見えても、制度上の扱いが違います。

同じ「専門学校」でも制度上の扱いが違う

認可校(専修学校)

  • 専門士の称号が付く
  • 大学への編入学資格が得られる
  • 通学定期の学割が使える

無認可のスクール

  • 称号は付かない
  • 編入学資格は得られない
  • JASSOの奨学金が使えない場合がある

校名に「専門学校」と付かず「学院」「スクール」と名乗る場合は、認可の有無を確認する。

図7:認可の有無で変わること

認可された専修学校なら専門士の称号が付き、大学への編入学資格も得られます。無認可のスクールは対象外です。

資金面にも影響します。日本学生支援機構の奨学金が使えない学校もあります

奨学金を前提に計画を立てているなら、志望校がどちらなのかを最初に確認してください。

この違いが実際にどう効くのかは、代表的な学校を例に別記事で解説しています。

卒業後の進路

声優として所属する道だけではありません。業界に関わり続ける形は複数あります。

  • プロダクションに所属して声優として活動する
  • フリーとしてオーディションを受け続ける
  • ナレーターや朗読など、隣接する分野で活動する
  • 音響制作やマネージャーとして裏方に回る

在学中の2年で結果が出なくても、それが終わりではありません。卒業後に所属が決まる人も少なくないのが実際です。

大事なのは、卒業後も受け続けられる状態を作っておくことです。生活の基盤をどう保つかまで含めて、進路を考えてください。

診断:卒業後にどの道を目指すか

目指したいものに、いちばん近いものを1つ選んでください。

オーディションの機会が多い学校を選ぶ

在学中に何社受けられるかが結果を左右します。提携プロダクションの数と、年間のオーディション回数を確認してください。

実務系の授業がある学校を選ぶ

ナレーションは需要が安定している分野です。原稿読みや尺合わせを扱う授業があるかを見てください。

総合的な学科のある学校を選ぶ

声優とアーティスト活動を並行する形が増えています。歌唱やダンスの授業が組まれているかを確認してください。

音響や制作の学科も検討する

音響監督やマネージャーなど、声を出す以外の道もあります。同じ学校内に学科があるかを見てください。

2年制の総合的な学科から始める

専攻変更が難しい学校もあります。迷うなら、演技と実務を幅広く扱う学科を選んでおくのが安全です。

よくある質問

声優の専門学校について、進路相談で多い5つの疑問に答えます。

声優の専門学校の学費はいくらですか?

実例では2年制で3,063,000円、3年制で3,795,750円です。学校により前後しますが、2年制で300万円前後が目安になります。

専門学校と養成所はどちらがよいですか?

未経験なら専門学校、すでに舞台や朗読の経験があるなら養成所も選択肢になります。養成所には入所審査があるため、実力が問われます。

専門学校に行けば声優になれますか?

なれるとは限りません。オーディションに合格して所属を得る必要があり、評価されるのは学校名ではなく本人の実力です。

未経験でも入学できますか?

できます。入学時に実技審査を課さない学校が多く、発声や滑舌から段階的に学ぶカリキュラムが組まれています。

働きながら通えますか?

通えます。夜間課程や通信課程を持つ学校があり、昼間の課程と学費が同額の場合もあります。

ただし授業時間は限られるため、自主練習の時間を確保できるかが結果を左右します。

まとめ:総額と基準を決めてから学校を選ぶ

本記事では、声優の専門学校で学ぶ内容、学費の総額、養成所との違い、学校選びの基準について解説しました。

校名を並べて悩む前に、比べる軸を決めるほうが早く進みます。軸は所属実績の中身、オーディションの回数、そして総額の3つです。

用意する金額は、2年制で300万円前後、3年制ならさらに70万円ほど上がります。

パンフレットの言葉ではなく、募集要項の金額と実績の中身で判断してください。そこまで確認できれば、あとは練習量の問題になります。