アニメ・声優

アニメの専門学校とは?学費・職種・選び方を実額で解説

アニメの専門学校の学費と選び方を実額で解説。入学金を含む総額は2年制で約306万円、職種と就職の実際も整理

「アニメの専門学校って、実際いくらかかるの?」「行くべきかどうか判断できない」。

調べ始めた人がまず行き詰まるのがここです。検索して出てくる記事の多くが学校自身のコラムか、数年前のまま更新されていない一覧記事だからです。

本記事では、学費の総額と職種の選び方について、公式サイトで確認した実額をもとに解説します。

読み終えるころには、自分に向いている職種と、卒業までに必要な金額が具体的に見えるようになります。

この記事でわかること

  • アニメの専門学校で実際に学ぶ内容
  • アニメーター以外に目指せる職種
  • 年間学費の内訳と、卒業までの総額
  • 業界に入ったあと、どう進んでいくのか
  • 学校を比べるときに見るべき5つの基準

この項目の情報基準日:

この記事の情報源

学費は学校が公式サイトで公開している学生募集要項にもとづく実額です。学校や年度によって金額は変わるため、志望校の募集要項で最新の金額を必ずご確認ください。

クリエイター進学ナビ 編集部 各学校が公表する募集要項・学校案内・公式サイトをもとに、クリエイター系専門学校の学費・課程・入試・就職を調査し執筆しています。掲載内容には情報基準日を明記しています。

アニメの専門学校では何を学ぶのか

アニメ制作は徹底した分業で進みます。学校の学科も、その分業に沿って組まれています。

アニメ制作は分業。学校の学科もそれに沿う

描く

作画

原画・動画・デジタル作画

アニメーター

組み立てる

演出

絵コンテ・レイアウト・タイムシート

演出・監督

仕上げる

美術・撮影

背景・色彩・合成・編集

美術/撮影スタッフ

現在はデジタル作画が主流。液晶タブレットとソフトの操作も学習範囲に入る。

図1:アニメの専門学校で学ぶ内容

描く、組み立てる、仕上げるの3系統です。どの系統を選ぶかで、学ぶソフトも作る成果物も変わります

デジタル作画が前提になっている

紙と鉛筆だけで進める学校は減りました。制作現場のデジタル移行に合わせて、液晶タブレットとソフトを使う授業が主流です。

ただし基礎はデッサンから始まります。ツールが変わっても、線を引く力が土台である点は変わりません

タイムシートまで扱う

アニメは1秒を複数枚の絵で作ります。どの絵を何コマ使うかを指定するのがタイムシートです。

絵を描くだけでなく、動きの設計まで学ぶのがアニメ分野の特徴になります。独学では触れにくい領域です。

ここはイラストとの決定的な違いです。1枚の完成度ではなく、連続した絵で動きを作る技術が問われます。

目指せる職種

アニメ業界の仕事は、絵を描く人だけではありません。主な職種を整理します。

アニメ業界の仕事は、絵を描く人だけではない

1アニメーター

原画と動画。まず動画から始まるのが一般的

2演出・監督

絵コンテとレイアウト。作画経験を経て進む

3美術・背景

背景画と色彩設計。デジタル作業が中心

4撮影・編集

素材を合成して映像に仕上げる

5制作進行

スケジュールと素材の管理。業界の入口になりやすい

図2:目指せる職種と役割

学科は入学時に選ぶ学校が多く、途中変更が難しい場合もあります。志望職種を先に決めておくと、学科選びで迷いません

迷う場合は、作画を中心に据えた学科を選んでおくのが無難です。演出も美術も、描く力が土台になるためです。

診断:あなたに向いている職種はどれか

得意なことや好きなことに、いちばん近いものを1つ選んでください。

アニメーター

動画から始まり、枚数を重ねて原画へ上がります。在学中にどれだけ描いたかが、そのまま就職時の評価になります。

演出・監督

絵コンテやレイアウトを扱います。多くの場合、作画を経験してから進む職種のため、まず描く力が土台になります。

美術・背景

背景画と色彩設計を担当します。デジタル作業が中心で、作画とは違うソフトを扱う学科になります。

撮影・編集

素材を合成して1本の映像にします。ソフトの習熟が問われるため、学科があるかを先に確認してください。

制作進行

スケジュールと素材の管理が仕事です。画力より段取りと連絡の力が問われ、業界の入口として現実的な選択肢になります。

学費はいくらかかるのか

まず実例を見ます。代々木アニメーション学院の2027年度は、初年度1,674,500円です。

初年度1,674,500円の内訳(代々木アニメーション学院・2027年度)

  • 入学金200,000円
  • 年間授業料963,000円
  • 施設設備費434,500円
  • 教育関連諸費77,000円

液晶タブレットなどの機材維持費が施設設備費にあたる。入学金が乗るのは1年次だけ。

図3:初年度納入金の内訳

内訳は入学金200,000円、年間授業料963,000円、施設設備費434,500円、教育関連諸費77,000円です。

施設設備費が43万円を超えているのは、液晶タブレットなどの機材維持費が含まれるためです。デジタル環境をそろえる分野は、ここが高くなりやすい構造です。

卒業までの総額

年間の金額だけでは判断できません。卒業までの合計を出します。

入学金を含めた、卒業までの総額の実例

2年制3,063,000円
3年制3,795,750円

代々木アニメーション学院の2027年度の金額。学校により前後するが、2年制は300万円前後が目安。

図4:修業年数別の総額

2年制で3,063,000円、3年制で3,795,750円です。学校によって前後しますが、2年制で300万円前後が目安になります。

免除制度を使えば実質負担は下がります。出願時期で免除額が変わる制度もあるため、動く時期の確認が必要です。

また、学費に何が含まれるかは学校ごとに違います。テキスト代や液晶タブレットが別途になる学校もあるため、比べるときは含まれる項目までそろえてください。

2年制と3年制の選び分け

修業年数は総額に直結します。何が変わるのかを整理します。

2年制と3年制で、何が変わるのか

2年制

  • 1年目から就職を意識する
  • 作画量を積む時間が短い
  • 総額は約306万円

3年制

  • 作画の反復に時間を割ける
  • 制作実習を複数回経験できる
  • 総額は約380万円

差は約73万円。アニメーターは描いた量がそのまま実力になるため、時間の価値が大きい。

図5:修業年数による違い

差は約73万円です。2年制は1年目から就職を意識する必要があり、3年制なら作画の反復に時間を割けます。

アニメーターは描いた枚数がそのまま実力になる職種です。時間を買うという意味では、3年制の73万円には合理性があります

診断:あなたに合う学び方はどれ?

重視することに、いちばん近いものを1つ選んでください。

2年制の専門学校

総額は約306万円が目安です。1年目から作画量を積まないと、2年目の就職活動に間に合いません。

3年制の専門学校

総額は約380万円で、2年制より73万円高くなります。描いた量が実力になる職種なので、時間の価値は大きくなります。

美術系の大学

アニメに限らず美術やデザインを幅広く学べます。実技の時間は専門学校より少なくなる点が条件です。

オンライン講座や独学から

原画の清書やデジタル作画を学べる講座があります。続けられるかを確かめてから進学を検討する順番が安全です。

高等部のある学校

通信制高校と併学して高卒資格と専門課程を同時に進められます。学校と高校の両方に学費がかかります。

業界に入ったあとの実際

就職がゴールではありません。入ったあとの構造を知っておくと、進路の判断が変わります。

アニメ制作会社に入ってから、どう進むか

在学中に作画のポートフォリオを作る

作画職で入る

  • まず動画から始まる
  • 枚数を重ねて原画へ上がる
  • 出来高制の会社が多い

制作進行で入る

  • 画力より管理能力が問われる
  • 月給制の会社が多い
  • そこから演出へ進む道もある

どちらの入口も、業界内で職種を変えていく人は珍しくない。

図6:アニメ業界に入ったあとの2つの道

作画職はまず動画から始まります。原画の間を埋める工程で、ここで枚数を重ねて原画へ上がるのが一般的な流れです。

出来高制という働き方

動画や原画は、描いた枚数に応じた出来高制を採る会社が多くあります。最初のうちは収入が安定しにくい構造です。

この点を知らずに入ると、想定と現実の差に戸惑います。近年は待遇改善に取り組む会社も増えているため、就職先ごとの条件確認が重要になります。

制作進行という入口

もう1つの入口が制作進行です。スケジュールと素材の管理を担う職種で、画力より段取りと連絡の力が問われます。

月給制の会社が多く、業界の全体像を早く把握できる立場です。そこから演出へ進む人もいます。

ただし業務量は多く、体力を要する職種でもあります。求人を見るときは、勤務時間や担当本数まで確認してください。

認可校と無認可のスクールがある

見落とされやすい区別です。同じように見えても、制度上の扱いが違います。

同じ「専門学校」でも制度上の扱いが違う

認可校(専修学校)

  • 専門士の称号が付く
  • 大学への編入学資格が得られる
  • 通学定期の学割が使える

無認可のスクール

  • 称号は付かない
  • 編入学資格は得られない
  • JASSOの奨学金が使えない場合がある

校名に「専門学校」と付かず「学院」「スクール」と名乗る場合は、認可の有無を確認する。

図7:認可の有無で変わること

認可された専修学校なら専門士の称号が付き、大学への編入学資格も得られます。無認可のスクールは対象外です。

資金面にも影響します。日本学生支援機構の奨学金が使えない学校もあるため、奨学金を前提にしているなら最初に確認してください。

この違いが実際にどう効くのかは、代表的な学校を例に別記事で解説しています。

学校選びで見るべき5つの基準

校名を並べても比較にはなりません。同じ項目でそろえて初めて比べられます。

資料請求のあとに踏む5つの手順

公式サイトで年間学費と入学金を確認する

入学金を足して、卒業までの総額を計算する

就職先を制作会社名と職種まで確認する

デジタル作画の機材と、使える時間を確認する

免除制度の締切と、返金されない日付を確認する

図8:後悔しないための確認手順

就職先は制作会社名まで見る

「アニメ業界への就職多数」という表記だけでは判断できません。確認したいのは次の3点です。

  • いつの卒業生の実績か
  • 制作会社名と職種が公表されているか
  • 作画職なのか、制作進行なのか

一般企業への就職が多く含まれている場合もあります。業界就職の定義まで確認してください

機材と使える時間を確認する

デジタル作画には液晶タブレットとソフトが要ります。学校の機材を授業時間外にも使えるかどうかは、制作量に直結します。

自分で用意する必要がある場合、その費用も総額に加えて計算してください。液晶タブレットは安いものでも数万円、ソフトは年額のライセンスが一般的です。

大学・独学との違い

専門学校が唯一の道ではありません。3つのルートを整理します。

項目 専門学校 美術系大学 独学
期間 2〜3年 4年 制限なし
費用 約306万〜380万円 学校により幅がある 機材と教材の実費
強み 実務直結と就職支援 学位と表現の幅 費用と自由度
つまずく点 目的が曖昧だと流される アニメ専門の授業は少ない 動きの設計を学びにくい

美術系大学ではアニメに限らず幅広く学べ、進路も広がります。ただしアニメ制作に特化した授業は限られます。

独学も可能ですが、タイムシートや動画の作法は独学では触れにくい領域です。オンライン講座で補う人もいます。

適性がまだ分からないなら、先に独学やオンライン講座を数か月試してください。続いたかどうかが、そのまま答えになります

よくある質問

アニメの専門学校について、進路相談で多い5つの疑問に答えます。

アニメの専門学校の学費はいくらですか?

実例では2年制で3,063,000円、3年制で3,795,750円です。学校により前後しますが、2年制で300万円前後が目安になります。

絵が下手でも入れますか?

入れます。入学時に画力を問わない学校が多く、デッサンの基礎から学べます。

ただし入学後に描く量は自分で決めることになるため、意欲が結果を左右します。

アニメーター以外の道もありますか?

あります。演出、美術、撮影、制作進行など職種は幅広く、制作進行は画力より段取りの力が問われる入口になります。

専門学校に行けばアニメーターになれますか?

なれるとは限りません。採用ではポートフォリオが評価されるため、在学中にどれだけ描いて仕上げたかが結果を左右します。

2年制と3年制はどちらがよいですか?

短期間で業界に入りたいなら2年制、作画量を積みたいなら3年制です。総額の差は約73万円になります。

まとめ:職種と総額を決めてから学校を選ぶ

本記事では、アニメの専門学校で学ぶ内容、目指せる職種、学費の総額、業界に入ったあとの構造について解説しました。

校名を並べて悩む前に、比べる軸を決めるほうが早く進みます。軸は志望職種、就職先の中身、そして総額の3つです。

用意すべき金額は、2年制で300万円前後、3年制ならさらに73万円ほど上がります。

学校のコラムではなく、募集要項の金額と就職実績の中身で判断してください。そこまで確認できれば、あとは描く量の問題になります。