「イラストレーターって食べていけるの?」「1枚いくらもらえるの?」。
調べると平均年収の数字は出てきますが、会社員とフリーランスがまとめて語られていて判断できません。収入の決まり方がまったく違います。
本記事では、働き方ごとの収入を実額で整理します。
読み終えるころには、自分がどちらを目指すべきかと、必要な単価が分かります。
この記事でわかること
- 会社員とフリーランスで収入構造が違うこと
- 会社員の平均年収は362万〜479万円であること
- フリーランスの単価はカット2,000円からであること
- 月10万円稼ぐのに必要な本数
- 20代と30代で年収が伸びにくい理由
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この記事の情報源
年収の数値は、複数の調査サイトおよび求人データにもとづく平均値を整理したものです。単価の相場は日本イラストレーター協会が示す金額を参考にしています。調査によって数値が異なるため、目安として扱ってください。
会社員とフリーランスで構造が違う
まず前提を分けます。この職種は働き方で収入の決まり方が変わります。
働き方で収入の決まり方が変わる
イラストで仕事をする
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会社員として働く
- 月給として毎月入る
- 平均362万〜479万円
- 仕事は会社が取ってくる
フリーランスで働く
- 1枚いくらの単価制
- ゼロから上限なしまで振れる
- 営業も自分でやる
最初にどちらを目指すかで、身につけるべきものが変わる。会社員なら制作力、フリーランスなら営業力も要る。
図1:働き方による収入構造の違い
会社員なら月給として毎月入り、フリーランスは1枚いくらの単価制です。
身につけるものが変わる
会社員なら制作力を高めることが中心になります。仕事は会社が取ってくるためです。
フリーランスは営業と単価交渉も自分でやります。描く技術だけでは成り立ちません。
会社員の年収は362万〜479万円
会社員として働く場合の数字を確認します。
会社員の平均年収(調査によって幅がある)
調査によって362万〜479万円と幅がある。いずれも日本人の平均年収と近い水準。
図2:会社員イラストレーターの年収
調査によって幅がありますが、正社員の平均年収は362万円から479万円の範囲です。
日本人の平均と近い水準
日本人の平均年収は461万円です。イラストレーターの会社員は、極端に低い職種ではありません。
初任給は21万円程度が相場とされています。月給に換算すると30万円程度になります。
業種によって変わる
ゲーム会社、広告制作会社、出版社など、勤務先の業種で水準が変わります。
この点は求人を見て確かめるのが確実です。志望する業種を早めに決めておくと、学校選びの軸にもなります。
診断:あなたが目指すのはどちらか
働き方の希望に、いちばん近いものを1つ選んでください。
会社員として就職を目指す
平均年収は362万〜479万円で、日本人の平均に近い水準です。仕事は会社が取ってくるため、制作に集中できます。
フリーランスを目指す
1枚いくらの単価制です。カット2,000円からメインビジュアル3万円が相場の下限で、実績を積めば単価が上がります。
クラウドソーシングで実績を作る
案件単価は数千円から十数万円まで幅があります。まず本数をこなして実績を作り、単価を上げていく形になります。
スキルを組み合わせてください
イラスト単体の案件は限られます。デザイン、動画、3Dといった周辺スキルを足すと、案件の幅と単価が上がります。
会社員を前提に考えるほうが安全です
まず就職して実績と人脈を作り、あとで独立する道があります。逆の順番は難しくなります。
金額は調査や案件によって変わります。目安として扱ってください。
フリーランスは1枚いくら
フリーランスの場合、平均年収を出すこと自体が難しくなります。
フリーランスは1枚いくらで決まる
日本イラストレーター協会が示す相場の下限。案件によって数千円から十数万円まで幅がある。
図3:フリーランスの単価の目安
日本イラストレーター協会が示す相場では、カットが2,000円から、Webのメインビジュアルが3万円からです。
案件によって幅が大きい
クラウドソーシングを見ると、単価は数千円から十数万円まで開きます。
収入がほぼゼロの人から高収入の人まで幅広くいるのが実態です。平均という数字が意味を持たない働き方になります。
月10万円を稼ぐのに何枚必要か
単価の意味を実感するために、計算してみます。
月10万円を稼ぐのに必要な本数
単価が低いと本数で補うことになる。営業の時間も含めると現実的でない場合がある。
図4:単価と必要本数の関係
1枚2,000円のカットだけで月10万円を稼ぐには、50枚が必要です。毎日2枚描く計算になります。
単価が低いと本数で補うことになる
1枚15,000円なら7枚、30,000円なら4枚で足ります。単価が上がるほど、描く枚数を減らせます。
営業や打ち合わせの時間も必要です。低単価で本数をこなす形は、現実的でない場合があります。
手取りはさらに下がる
フリーランスの場合、受け取った金額がそのまま収入にはなりません。
国民健康保険と国民年金、所得税と住民税を自分で払います。機材やソフトの費用も自己負担です。
月10万円の売上なら、手元に残るのは7万円台まで下がると見ておいてください。
まず単価を上げる
フリーランスで安定させるには、本数より単価が効きます。実績を積んで指名で依頼される状態を作るのが、最短の道になります。
経験年数が単価に反映されにくい
この職種に特有の構造があります。
20代と30代で年収がほとんど変わらない
この職種の特徴
- 20代の平均 314万円
- 30代の平均 395万円
- 差は81万円にとどまる
- 勤続年数が単価に反映されにくい
理由と対処
- 評価されるのは作品の質
- 年功で上がる仕組みが薄い
- 役職につくか独立するかで変わる
- 他のスキルを足すと単価が上がる
経験を積むだけでは上がりにくい。何を足すかを早めに決めておく必要がある。
図5:年齢別の年収の推移
20代の平均が314万円、30代が395万円です。差は81万円にとどまります。
年功で上がる仕組みが薄い
評価されるのは作品の質と、こなした案件です。勤続年数だけでは単価が上がりません。
他の職種のように、経験を積めば自動的に収入が増えるとは考えないほうが安全です。
早めに方向を決める
年収を上げるには、役職につくか、独立するか、スキルを足すかのいずれかになります。
どの道を選ぶかを在学中から意識しておくと、学ぶ内容の優先順位が決まります。
収入を上げる3つの方法
方向を整理します。
収入を上げる3つの方向
2つ目が現実的。イラスト単体の案件は少なく、周辺スキルとの組み合わせで依頼が来る。
図6:収入を上げる方向
単価を上げる、スキルを足す、立場を変えるの3つです。
現実的なのはスキルを足すこと
イラスト単体の案件は限られます。デザイン、動画、3Dといった周辺のスキルがあると、案件の幅が広がります。
1つの制作物に複数のスキルが必要になる場面が多いためです。学校選びでもここを見る価値があります。
動画分野の職種と学費は、別記事で整理しています。
学費との関係と確認する5点
収入を踏まえて、学費との関係を整理します。
学費と、卒業後の収入を並べる
在学中に払う
- 2年制の学費 266万〜309万円
- 液晶タブレットとPCで約30万円
- ソフトの年額契約もある
卒業後に得る
- 会社員なら初任給21万円程度
- 年収は362万〜479万円
- フリーランスは単価と本数次第
会社員として就職すれば、他のクリエイター職より収入は安定しやすい。
図7:学費と収入の関係
2年制の学費は266万〜309万円、液晶タブレットとパソコンで約30万円が別にかかります。
他のクリエイター職より安定しやすい
会社員として就職できれば、年収362万〜479万円が見込めます。
アニメーターの動画マン263万円や、連載前の漫画家と比べると、この分野は就職という出口が確保しやすい側になります。
他分野の収入は別記事で整理しています。
学校を選ぶときの5つの手順
会社員かフリーランスかを先に決める
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志望する業種を調べる(ゲーム・広告・出版など)
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学費に液晶タブレットとPC代を足す
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在校生の就職先を社名と職種で聞く
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イラスト以外に学べるスキルを確認する
5番目が効いてくる。イラスト単体より、デザインや動画と組み合わせたほうが仕事が増える。
図8:確認の手順
働き方を決め、業種を調べ、機材費を足す。そのうえで就職先を聞き、学べるスキルを確認する順番です。
イラスト以外の科目を見る
デザインや動画を扱う学校もあります。案件の幅が広がるため、カリキュラムの科目は必ず確認してください。
イラスト分野の学費と学校選びは、別記事にまとめています。
よくある質問
イラストレーターの収入について、多い5つの疑問に答えます。
会社員の年収はいくらですか?
調査によって362万円から479万円の範囲です。初任給は21万円程度で、日本人の平均年収と近い水準になります。
フリーランスの単価はいくらですか?
カットが2,000円から、Webのメインビジュアルが3万円からが相場の下限です。案件によって数千円から十数万円まで幅があります。
月10万円稼ぐには何枚必要ですか?
1枚2,000円なら50枚、15,000円なら7枚、30,000円なら4枚です。単価が上がるほど本数を減らせます。
経験を積めば年収は上がりますか?
大きくは上がりません。20代314万円、30代395万円で差は81万円です。
役職につくか、独立するか、スキルを足す必要があります。
イラストだけで食べていけますか?
会社員として就職すれば可能な水準です。フリーランスの場合は単価と本数次第で、周辺スキルを足すほうが安定します。
まとめ:会社員なら安定しやすい
本記事では、イラストレーターの収入を働き方ごとに整理しました。
会社員の平均は362万〜479万円で、日本人の平均に近い水準です。クリエイター職のなかでは就職の出口が確保しやすい分野になります。
フリーランスは1枚いくらの単価制で、平均という数字が意味を持ちません。
経験年数では年収が上がりにくい構造です。イラスト以外のスキルを足すことを、在学中から意識してください。