進学の基礎知識

動画クリエイターの専門学校とは?学費とスクールとの違いを実額で解説

動画クリエイターの専門学校の学費と選び方を実額で解説。総額は通い方で233万円から441万円、動画編集スクールとの違いも整理

「動画クリエイターの専門学校って、いくらかかるの?」「数か月のスクールと何が違うの?」。

調べ始めた人が最初に混乱するのがここです。検索すると専門学校の一覧と数万円のスクール広告が同時に出てきて、比べる軸が見つからないからです。

本記事では、専門学校の学費とスクールとの違いについて、公式サイトで確認した実額をもとに解説します。

読み終えるころには、自分が選ぶべきなのはどちらか、そして必要な金額が具体的な数字で見えるようになります。

この記事でわかること

  • 動画クリエイターの専門学校で実際に学ぶ内容
  • 編集以外に目指せる職種
  • 年間学費の内訳と、卒業までの総額
  • 数か月の動画編集スクールと何が違うのか
  • 学校を比べるときに見るべき5つの基準

この項目の情報基準日:

この記事の情報源

学費は各校が公式サイトで公開している入学金・学費一覧にもとづく実額です。学校や年度によって金額は変わるため、志望校の公式サイトで最新の金額を必ずご確認ください。

クリエイター進学ナビ 編集部 各学校が公表する募集要項・学校案内・公式サイトをもとに、クリエイター系専門学校の学費・課程・入試・就職を調査し執筆しています。掲載内容には情報基準日を明記しています。

動画クリエイターの専門学校では何を学ぶのか

編集ソフトの操作だけを学ぶ場ではありません。企画から撮影、仕上げまでを扱います。

動画制作は撮る前と後の作業が大半を占める

決める

企画・構成

台本・絵コンテ・尺の設計

何を撮るかを決める

撮る

撮影

カメラ・照明・音声

素材をそろえる

仕上げる

編集

カット・テロップ・色調整・音

作品として完成させる

編集ソフトはPremiere ProやAfter Effectsが中心。撮影機材の扱いまで含むのが専門学校の範囲。

図1:動画クリエイターの専門学校で学ぶ内容

決める、撮る、仕上げるの3工程です。実際の制作では、撮る前と後の作業が大半を占めます

撮影機材の扱いまで含む

カメラ、照明、音声機材の扱いを実習で学べる点が、オンライン講座との大きな違いです。機材は個人で買いそろえると高額になります。

スタジオや編集室を使える環境も学校ならではです。機材を使える時間の長さが、そのまま作れる本数につながります

チームでの制作を経験する

現場の映像制作は分業です。ディレクター、カメラ、編集がそれぞれの役割を持って1本を仕上げます。

個人制作だけでは、この進め方を経験できません。就職を目指すなら、実習の規模と回数が重要な確認項目になります。

役割を交代しながら複数本を作る学校もあります。自分に合う工程を見つける機会にもなります。

目指せる職種

動画に関わる仕事は編集だけではありません。主な職種を整理します。

動画に関わる仕事は編集だけではない

1映像ディレクター

企画から完成まで統括する

2映像編集者

カットと演出。案件数がもっとも多い

3カメラ・照明

撮影現場の技術職。機材知識が要る

4SNS・YouTube運用

企画から分析まで。数字を見る仕事

5VTuber・配信関連

配信環境の構築やモデル制作に関わる

図2:目指せる職種と役割

学科は入学時に選ぶ学校が多く、途中変更が難しい場合もあります。志望職種を先に決めておくと、学科選びで迷いません

診断:あなたに向いている職種はどれか

やりたいことに、いちばん近いものを1つ選んでください。

映像ディレクター

企画から完成まで統括します。撮影も編集も分かる必要があるため、幅広く扱う学科を選んでください。

映像編集者

案件数がもっとも多い職種です。Premiere ProやAfter Effectsの習熟が直接評価につながります。

カメラ・照明スタッフ

現場の技術職です。機材の扱いを学べる環境かどうかが学校選びの決め手になります。

SNS・YouTube運用

企画と分析の仕事です。編集スキルに加えて、数字を読む力が求められます。

VTuber・配信関連

配信環境の構築やモデル制作など関わり方は複数あります。専攻がある学校は限られるため、先に確認してください。

学費はいくらかかるのか

まず年間の学費を見ます。2年制の実例では年間140万円です。

年間学費140万円の内訳(2年制の実例)

  • 設備充当費34万円
  • 授業料81万円
  • 実習費25万円

撮影機材やスタジオの維持費が設備充当費にあたる。名称は学校で異なる。

図3:年間学費の内訳

内訳は設備充当費34万円、授業料81万円、実習費25万円です。撮影機材やスタジオの維持費が設備充当費にあたります。

教材費とパソコンが別途かかる

この分野で見落とされやすいのが教材費です。Adobe Creative Cloudのライセンスが年44,000円、パソコンが約30万円という実例があります。

入学金15万円と年間学費140万円を足すと、初年度に実際に必要なのは約189万円です。学費表の金額だけで予算を組むと足りなくなります。

AdobeCCは2年目以降も毎年かかります。パソコンを買い替えなければ、2年目の負担は学費と4.4万円が中心です。

卒業までの総額

年間学費だけでは判断できません。入学金を足して、卒業までの合計を出します。

入学金15万円を含めた、卒業までの総額の実例

オンライン 2年制233万円
週3日通学 2年制257万円
全日 2年制295万円
全日 3年制441万円

教材費は含まない。AdobeCC年44,000円とPC約30万円が別途かかる。

図4:通い方別に見た卒業までの総額

オンラインの2年制で233万円、全日の2年制で295万円、3年制で441万円です。通い方によって208万円の幅があります。

ただしオンラインでは撮影機材の実習が受けられません。安さと引き換えに何が減るのかを確認してから選んでください

専門学校と動画編集スクールはどう違うのか

この分野特有の混乱がここです。検索すると両方が並んで出てきますが、設計がまったく違います。

同じ動画を学ぶ場でも、設計がまったく違う

専門学校

  • 2〜3年かけて学ぶ
  • 撮影から編集まで扱う
  • 就職支援と学歴が付く
  • 総額233万〜441万円

動画編集スクール

  • 数か月で終わる
  • 編集ソフトの操作が中心
  • 学歴にはならない
  • 数万〜数十万円

スクールは副業や案件獲得を目的とした設計。就職を前提にするかどうかで選ぶものが変わる。

図5:専門学校と動画編集スクールの違い

項目 専門学校 動画編集スクール
期間 2〜3年 数か月
費用 233万〜441万円 数万〜数十万円
扱う範囲 企画・撮影・編集・機材 編集ソフトの操作が中心
目的 就職して制作会社で働く 副業や案件獲得
学歴 認可校なら専門士が付く 学歴にはならない

費用の差だけを見て「スクールのほうが安い」と判断しないでください。扱う範囲も目的も違うため、そもそも比較の対象ではありません

どちらを選ぶかの分かれ目

制作会社に就職して現場で働きたいなら専門学校、副業として編集案件を受けたいならスクールが合います。

撮影を扱うかどうかも判断材料です。スクールの多くは編集に絞っているため、カメラや照明は学べません。

診断:あなたに合う学び方はどれ?

重視することに、いちばん近いものを1つ選んでください。

全日の専門学校

総額295万〜441万円が目安です。就職支援と機材環境がそろい、撮影から編集まで一通り経験できます。

動画編集スクール

数万円から数十万円で数か月という設計です。編集ソフトの操作に絞られるため、撮影は扱いません。

オンラインの専門学校コース

総額233万円が目安です。校舎の機材は使えないため、自分で環境をそろえる必要があります。

週3日通学のコース

総額257万円が目安です。空いた時間を自主制作や案件に充てられるかどうかが結果を分けます。

独学で数か月試す

スマホと無料ソフトでも動画は作れます。続けられるかを確かめてから、進学を判断しても遅くありません。

「独学で十分」と言われる理由と実際

動画は始めるハードルが低い分野です。スマホと無料ソフトでも作品は作れます。

機材とソフトは個人でも持てる。では何が違うのか

まず数か月、自分で動画を作ってみる

続けられた場合

  • 独学やスクールで案件を狙える
  • 専門学校なら環境を買う判断ができる

続かなかった場合

  • 300万円を先に払わずに済む
  • 別の分野を検討する時間が残る

動画は始めるハードルが低い分野。先に試してから進学を決めても遅くない。

図6:独学を先に試す価値

だからこそ「独学で十分」という意見にも一理あります。実際、独学から案件を受けている人は大勢います。

先に試してから決められる

他分野と違い、動画は先に試せるのが利点です。数か月続けてみて、そこから進学を判断しても遅くありません。

続かなかった場合、300万円を先に払わずに済みます。続いたなら、環境を買う判断に自信が持てます。

専門学校が生きる場面

独学で埋まらないのは、撮影機材の実習とチーム制作、そして就職支援です。制作会社の求人は新卒枠が中心のものもあります。

就職を前提にするなら、学校のつながりが効いてきます。目的が就職なのか案件なのかで、答えが変わります。

近年は動画編集の案件単価が下がっているという声もあります。編集だけで独立を目指すなら、企画や撮影まで扱える強みが必要になります。

認可校と無認可のスクールがある

見落とされやすい区別です。同じように見えても、制度上の扱いが違います。

同じ「専門学校」でも制度上の扱いが違う

認可校(専修学校)

  • 専門士の称号が付く
  • 大学への編入学資格が得られる
  • 通学定期の学割が使える

無認可のスクール

  • 称号は付かない
  • 編入学資格は得られない
  • JASSOの奨学金が使えない場合がある

校名に「専門学校」と付かず「アカデミー」「カレッジ」と名乗る場合は要確認。

図7:認可の有無で変わること

認可された専修学校なら専門士の称号が付き、大学への編入学資格も得られます。無認可のスクールは対象外です。

資金面にも影響します。日本学生支援機構の奨学金が使えない学校もあるため、奨学金を前提にしているなら最初に確認してください。

学校選びで見るべき5つの基準

校名を並べても比較にはなりません。同じ項目でそろえて初めて比べられます。

資料請求のあとに踏む5つの手順

公式サイトで年間学費と入学金を確認する

入学金と教材費を足して、卒業までの総額を出す

就職先を制作会社名と職種まで確認する

撮影機材と編集室を使える時間を確認する

入学金免除の締切と、返金されない日付を確認する

図8:後悔しないための確認手順

就職先は制作会社名まで見る

「映像業界へ就職多数」という表記だけでは判断できません。確認したいのは次の3点です。

  • いつの卒業生の実績か
  • 制作会社名と職種が公表されているか
  • フリーランスや業務委託が混ざっていないか

年度も職種も書かれていない実績は、比較材料になりません。説明会で聞けば具体的に答えてもらえます。

機材を使える時間を確認する

カメラと編集室を授業時間外にも使えるかどうかは、制作量に直結します。貸出のルールと台数まで聞いてください。

自分で用意する必要がある場合、その費用も総額に加えて計算してください。カメラは中古でも数万円から十数万円が目安です。

よくある質問

動画クリエイターの専門学校について、多い5つの疑問に答えます。

学費は総額でいくらですか?

入学金を含めた実例では、オンラインの2年制で233万円、全日の2年制で295万円、3年制で441万円です。教材費とパソコンが別途かかります。

動画編集スクールとどちらがよいですか?

制作会社に就職したいなら専門学校、副業で案件を受けたいならスクールが合います。期間も費用も扱う範囲も違うため、目的で選んでください。

未経験でも入学できますか?

できます。入学時に経験を問わない学校が多く、ソフトの操作から学べます。

ただし入学後に作る本数は自分で決めることになるため、意欲が結果を左右します。

独学ではだめですか?

独学でも案件は受けられます。専門学校が提供しているのは撮影機材の実習、チーム制作、そして就職支援です。

パソコンは自分で用意しますか?

用意する学校が多く、約30万円が目安です。推奨スペックを満たす機種を持っていれば、購入が不要な場合もあります。

まとめ:目的を決めてから、学ぶ場を選ぶ

本記事では、動画クリエイターの専門学校で学ぶ内容、学費の総額、スクールとの違い、学校選びの基準について解説しました。

費用の安さだけで選ぶと、目的に合わない場所を選ぶことになります。分かれ目は、就職を目指すのか案件を受けたいのかです。

専門学校を選ぶなら、用意すべき金額は233万円から441万円になります。

まず数か月、自分で1本作ってみてください。続けられると分かってから決めても、遅くはありません。