進学の基礎知識

クリエイター志望は大学と専門学校どっち?学費と進路で比較

クリエイター志望の進路を大学と専門学校で比較。専門学校2年制は約300万円、無認可校では編入できない点も解説

本ページはプロモーションを含みます。掲載内容は編集部が各校の公表資料をもとに独自に作成しています。

「絵の仕事を目指すなら、大学と専門学校のどっちがいいの?」「学費の差はどれくらい?」。

調べても答えが出ないのは、比べる軸が示されないまま「向いている人」の話ばかりが並ぶからです。学校の自社コラムなら、自校が有利な書き方にもなります。

本記事では、学費と進路の違いについて、公式サイトで確認した実額をもとに整理します。

読み終えるころには、自分がどちらを選ぶべきかと、その理由が言葉にできるようになります。

この記事でわかること

  • 目的による向き不向きの分かれ方
  • 専門学校の学費を実額で見た場合の水準
  • 入試と学ぶ内容の違い
  • 目指す業界によって変わる求人の範囲
  • 無認可校では編入学資格が得られないこと

この項目の情報基準日:

この記事の情報源

専門学校の学費は、代々木アニメーション学院およびバンタン系各校が公式サイトで公開している募集要項・学費一覧にもとづく実額です。大学の学費は学部と設置区分によって幅が大きいため、志望校の公表値でご確認ください。

クリエイター進学ナビ 編集部 各学校が公表する募集要項・学校案内・公式サイトをもとに、クリエイター系専門学校の学費・課程・入試・就職を調査し執筆しています。掲載内容には情報基準日を明記しています。

まず結論:目的で決まる

どちらが優れているかという問いには答えが出ません。何を優先するかで変わるためです。

迷ったときは、卒業後にどうしたいかで分ける

専門学校が向く

  • 就きたい職種が決まっている
  • エンタメ業界を目指す
  • 最短で現場に出たい
  • 実技の時間を最大化したい

大学が向く

  • 進路をまだ絞り切れない
  • 一般企業も選択肢に残したい
  • 教養や理論も学びたい
  • 4年かけて考えたい

どちらが優れているかではなく、何を優先するかで決まる。

図1:目的による向き不向き

就きたい職種が決まっていて、エンタメ業界を目指すなら専門学校が向きます。進路を絞り切れていないなら、大学のほうが選択肢を残せます。

迷いの正体は「まだ決まっていない」こと

どちらか選べない状態は、志望職種が固まっていないサインでもあります。イラストレーター、CGデザイナー、アニメーター、制作進行では必要なスキルが違います。

職種名で言えるようになるまでは、進路の決定を急がないでください。1年遅れても取り返しはつきます。

診断:あなたに向いているのはどちらか

いまの考えに、いちばん近いものを1つ選んでください。

専門学校

実技の密度が高く、2年で就職まで設計されています。エンタメ業界の採用はポートフォリオ中心なので、作品量を確保できる環境が生きます。

大学

4年かけて考えられます。一般企業への就職も残せるため、進路を絞り切れていないなら選択肢を広く持てるほうが安全です。

美大・芸大

実技試験があるため、受験勉強の段階から画力が上がります。入学後も周囲の水準がそろうため、環境として引き上げられます。

大学

大卒を応募条件にする求人が一定数あります。広告代理店やメーカーのデザイン職では、学士が要件になる場合があります。

専門学校の短期コースか独学

オンラインの2年制なら総額233万円です。大学は4年分の学費と生活費がかかるため、総額では大きな差になります。

学費を実額で比べる

まず専門学校の実額を確認します。クリエイター系の総額は次のとおりです。

卒業までに納める学費を並べる

専門学校 オンライン2年制233万円
専門学校 全日2年制306万円
専門学校 全日3年制380万円
専門学校 4年制441万円

専門学校の実額。大学は学部と設置区分で幅が大きいため、志望校の公表値で比べる。

図2:専門学校の学費(卒業までの総額)

オンラインの2年制で233万円、全日の2年制で約300万円、3年制で380万〜441万円です。

大学は学部と設置区分で幅が大きい

大学の学費は、国公立か私立か、美術系かどうかで大きく変わります。一律の数字を出しても比較になりません。

そのため志望校の公表値で比べてください。4年分であることと、実技系は設備費が加わる点が共通の特徴です。

比較項目 専門学校 美大・芸大 一般大学
期間 2〜4年 4年 4年
学費の実額 233万〜441万円 学部と設置区分で幅が大きい 学部と設置区分で幅が大きい
入試 書類選考・面接が中心 実技試験あり 学科試験が中心
取得できるもの 認可校なら専門士 学士 学士
実技の時間 多い 中程度 自分で確保する

生活費も含めて考える

学費だけを見ると判断を誤ります。通う年数が長いほど、生活費と住居費も積み上がるためです。

2年と4年では、生活費の総額が倍近く変わります。実家から通えるかどうかも、比較の要素に入れてください。

専門学校でも4年制のコースがあります。年数で比べるなら、専門学校の3年制・4年制と大学を並べるほうが公平です。

入試の難易度が違う

入口の設計がまったく違います。ここが最初の分かれ目です。

入口の設計がまったく違う

専門学校

  • 書類選考や面接が中心
  • 画力を問わない学校が多い
  • 未経験から入れる
  • 入学時の実力に幅が出る

美大・芸大

  • 実技試験がある
  • 予備校に通う準備期間が要る
  • 入学時点で一定の画力
  • 周囲の水準がそろう

入りやすさは専門学校、入学時点の水準は美大が高い。どちらも一長一短。

図4:入試の違い

専門学校は書類選考や面接が中心で、画力を問わない学校が多くあります。未経験から入れる設計です。

美大は準備期間が要る

美大・芸大には実技試験があります。受験のために美術予備校へ通う期間が必要で、進学の準備自体に時間と費用がかかります。

その代わり、入学時点で周囲の水準がそろいます。画力で引け目を感じにくい環境になるという利点があります。

専門学校は実力の幅が出る

逆に専門学校は、入学時の実力に大きな幅が出ます。未経験者に合わせて授業が始まるため、経験者には物足りない時期があります。

この点は口コミでもよく語られる部分です。環境の質は、周囲ではなく自分の使い方で決まる面が大きくなります。

学べる内容と時間配分

同じ年数でも、実技に使える時間が違います。

同じ年数でも、実技に使える時間が違う

専門学校

2〜3年

実技と課題が中心

▼

実技の密度が高い

美大・芸大

4年

実技+美術史・教養

▼

幅広く学ぶ

一般大学

4年

専攻+一般教養

▼

実技は自分で確保

大学は実技以外の授業も必修になる。制作時間は自分で作る必要がある。

図3:学ぶ内容と時間配分の違い

専門学校は実技と課題が中心です。美大は実技に加えて美術史や教養、一般大学ならさらに専攻外の科目も必修になります。

大学で学べるもの

美術史、色彩理論、デザイン論といった知識は、専門学校では扱いが薄くなります。作品の背景を語る力は、大学のほうが鍛えられます。

一方で、制作の時間は自分で確保する必要があります。授業で描く量だけでは、実務水準には届きません。

専門学校で学べるもの

締切のある課題、講評、チーム制作が中心です。実務に近い形で、完成させる訓練を繰り返します。

ソフトの操作や現場のワークフローも扱います。就職後すぐに動ける状態を目指す設計です。

その代わり、専門外の分野に触れる機会は減ります。視野の広さを求めるなら大学のほうが向きます。

就職先が変わる

目指す業界によって、届く求人の範囲が変わります。

進路によって、届く求人の範囲が変わる

どの業界を目指すか

▼

エンタメ業界一本

  • ゲーム・アニメ・出版
  • 選考はポートフォリオ中心
  • 専門学校の実技量が生きる

一般企業も含める

  • 広告・メーカー・IT
  • 大卒を条件にする求人がある
  • 学士が要る場面が出る

エンタメ業界の採用は学歴より作品。一方で大卒要件の求人は一定数存在する。

図5:目指す業界による違い

ゲーム会社やアニメ制作会社の採用は、ポートフォリオ中心です。学歴が問われる場面は限られます。

大卒要件の求人がある

一方で、広告代理店やメーカーのデザイン職には、大卒を応募条件にする求人が一定数あります。

エンタメ業界一本と決めているなら影響は小さくなります。一般企業も視野に入れるなら、学士の有無が効いてきます。

見落とされる「編入」の話

「専門学校に入って、あとで大学に編入すればいい」という話を見かけます。ただし条件があります。

「あとで大学に編入する」が使えない場合がある

専門学校は認可された専修学校か

▼

認可校の場合

  • 専門士の称号が付く
  • 大学への編入学資格が得られる

無認可の場合

  • 称号は付かない
  • その資格による編入はできない

クリエイター系には無認可のスクールが多い。編入を保険に考えるなら必ず確認する。

図6:編入学資格の有無

編入学資格が得られるのは、認可された専修学校で専門士の称号を取得した場合です。無認可のスクールでは、この資格による編入はできません。

クリエイター系は無認可校が多い

校名に「専門学校」と付かず、「学院」「アカデミー」「研究所」と名乗る学校は、認可されていない場合があります。

編入を保険と考えているなら、志望校が認可校かどうかを必ず確認してください。認可の有無で何が変わるのかは、別記事で解説しています。

専門課程側の学費を実額で確認する

大学と比べるには、両方の総額が必要です。専門課程の金額は資料で専攻ごとに確認できます。

  • 専攻別の学費と教材費がわかる
  • 卒業までの総額も確認できる
  • 説明会と体験授業の日程も届く
  • 請求だけの利用も可

資料を取り寄せる(無料)

資料請求のみ・比較検討中の利用も可能です。

どちらを選んでも共通すること

進路が違っても、やるべきことは変わりません。

どちらを選んでも、やることは変わらない

志望職種を職種名で言えるようにする

▼

在学中に完成作品を積み上げる

▼

課題以外に自分で作る時間を確保する

▼

公募や持ち込みで外部の評価を受ける

▼

ポートフォリオを就活前に完成させる

採用も依頼も、評価されるのは学校名ではなく完成させた作品。

図7:進路にかかわらず共通する手順

志望職種を決め、作品を積み上げ、外部の評価を受ける。この流れは大学でも専門学校でも同じです。

学校名は選考の1行にすぎない

採用でも依頼でも、判断されるのは提出した作品です。どちらに進んでも、作った量が結果を決めます。

逆に言えば、進学先で悩む時間が長すぎるのは非効率です。決めたら描き始めてください。

在学中に外部の評価を受けることも共通します。公募展、持ち込み、SNSでの発表など、学校の外に出す機会を作ってください。

独学という第3の道

進学以外の選択肢も比較の対象に入れておきます。

進学以外の選択肢も比較の対象に入れる

独学が向く場合

  • すでに毎日描けている
  • 費用を最小にしたい
  • 働きながら進めたい

進学が向く場合

  • 締切がないと手が止まる
  • 講評を受ける相手がいない
  • 就職支援が欲しい

迷うなら、先に数か月の独学を試す。続いたかどうかがそのまま答えになる。

図8:独学と進学の分かれ目

すでに毎日描けている人なら、独学でも進めます。締切がないと手が止まる人は、環境を買う価値があります。

各分野の入口については、別記事で詳しく解説しています。

診断:迷っているとき、次にやるべきこと

いまの状況に、いちばん近いものを1つ選んでください。

職業を調べることから始める

イラストレーター、CGデザイナー、アニメーター、制作進行では必要なスキルが違います。職種名で言えるようになるまでは、進路の決定を急がないでください。

両方の総額を出して比べる

専門学校は2年制で約300万円、大学は4年分です。免除制度や奨学金の使える範囲も違うため、実額で比べてください。

志望校が認可校かを確認する

無認可のスクールでは、専門士の称号による編入学資格が得られません。編入を保険と考えているなら、この確認は必須です。

まず数か月、自分で作ってみる

どちらに進んでも、作った量が結果を決めます。続けられるかを確かめてから進学先を決めても遅くありません。

総額と就職先の実績で話す

感覚ではなく数字で話すと議論が進みます。学費の総額、就職先の社名と職種、免除の締切の3点を共有してください。

よくある質問

大学と専門学校の選択について、多い5つの疑問に答えます。

学費はどちらが安いですか?

年数が短いぶん専門学校のほうが抑えられる傾向にあります。専門学校の2年制で約300万円、大学は4年分かかるため、生活費も含めると差が広がります。

就職に有利なのはどちらですか?

目指す業界によります。エンタメ業界の採用はポートフォリオ中心ですが、一般企業には大卒を条件にする求人があります。

専門学校から大学に編入できますか?

認可された専修学校で専門士を取得した場合はできます。無認可のスクールでは、その資格による編入学はできません。

美大に入るには絵が上手くないとだめですか?

実技試験があるため、一定の画力が求められます。多くの受験生が美術予備校で準備するため、進学の準備期間も必要になります。

どちらも選べないときはどうすればよいですか?

志望職種が固まっていない可能性があります。まず職業を調べ、数か月の独学で適性を確かめてから決めても遅くありません。

まとめ:目的を決めてから、学費で比べる

本記事では、クリエイター志望の進路について、大学と専門学校を学費と進路の面から比較しました。

判断の軸は3つです。志望職種が決まっているか、一般企業も視野に入れるか、そして学費の総額です。

専門学校の2年制は約300万円、大学は4年分かかります。生活費まで含めると差はさらに広がります。

編入を保険にするなら、志望校が認可校かを必ず確認してください。無認可のスクールでは、その道は使えません。

目的が決まったら金額で比べる

就職先も学び方も違う2つを、同じ基準で比べる必要はありません。目的を決めてから金額を見てください。

  • 専攻別のカリキュラムがわかる
  • 学費と教材費の実額も届く
  • 説明会の日程も確認できる
  • 請求だけの利用も可

資料を取り寄せる(無料)

資料請求のみ・比較検討中の利用も可能です。