結論:やばいの正体は「制度」と「金額」の2つ
最初に結論から示します。やばいという評判のほとんどは、授業内容ではなく制度と学費に向けられたものです。
認可された専門学校ではないという制度の話と、年間140万円台という金額の話。この2点が不安の中心にあります。
「やばい」という声が向けられている先はどこか
批判が集中する点
- 制度:認可された専門学校ではない
- 制度:専門士の称号が付かない
- 金額:年間140万円台と高め
- 金額:入学金と教材費が別にかかる
批判が少ない点
- 授業:講師が全員現役クリエイター
- 授業:企業と連携した制作の機会
- 環境:少人数で講評を受けられる
- 環境:機材のそろった校舎
批判は制度と金額に集中しており、授業内容そのものへの否定は目立たない。
図1:やばいの中身は制度と金額に集中している
逆に言えば、この2つが自分にとって問題にならないなら、やばいは当てはまりません。問題になるかどうかは、卒業後の進路と資金の条件で変わります。
診断:あなたにとって「やばい」は当てはまるか
あなたの状況に、いちばん近いものを1つ選んでください。
無認可であることは、ほぼ影響しません
採用はポートフォリオ中心の選考で、称号よりも在学中に何を作ったかが評価されます。学費の総額だけは先に確認してください。
当てはまります。認可校か大学部を検討してください
無認可校では大学への編入学資格が得られません。大卒資格が要る進路を残すなら、通信制大学と併修する大学部が選択肢になります。
総額を出して話すと、議論が前に進みます
2年制なら入学金15万円+年間147万円で総額309万円、オンライン学部なら233万円です。感覚ではなく数字で比べてください。
不安は妥当です。ただし対策できます
制作課題の量は多めです。入学前に、毎日1時間でも手を動かす習慣を作れるかを試しておくと、入学後の負荷が読めます。
評判ではなく、公式の数字で判断してください
学費は公式の学費一覧、就職は算出方法つきの実績が公開されています。個人の体験談より、この2つを先に見るほうが確実です。
当てはまる項目があっても、対処法があるものと、進路の前提が変わるものは別です。
やばいと言われる5つの理由
検索候補やSNSで見かける指摘は、5つに整理できます。まず全体を確認してから、重い順に検証していきます。
理由1:認可された専門学校ではない
バンタンは自らを「専門校」と表記しており、学校教育法上の専修学校ではありません。進学情報サイトでも「その他教育機関」に分類されています。
この違いが何を意味するのかを知らないまま「無認可=怪しい」と受け取られ、やばいという言葉に変換されています。
実際には、認可の有無は教育の質を保証するものではありません。何が変わるのかを具体的に知れば、自分に関係する話かどうかを判断できます。
理由2:学費が高い
年間140万円台という金額は、認可校の平均より高めです。入学金と教材費が別にかかることも、総額が見えにくい原因になっています。
この批判が広がるのは、多くの人が年間の金額だけを見て検討を始めるからです。総額を出さないまま比較すると、割高に見えたり割安に見えたりします。
実額は第4章で公式の表から示します。
理由3:課題と制作の量が多い
「授業がきつい」「ついていけない」という声があります。これは現役クリエイターが実務水準で指導するカリキュラムの裏返しでもあります。
負荷そのものは事実として受け止めたうえで、自分が続けられるかを判断する材料にすべき情報です。
制作の量が多いこと自体は、作品を溜められるという意味でもあります。就職活動で必要になるのはポートフォリオなので、課題はそのまま武器になります。
理由4:講師によって当たり外れがある
講師が全員現役クリエイターであるため、教えることの専門家ではない人もいます。指導の丁寧さに差が出るという指摘です。
一方で、現場の最新の作り方をそのまま学べる点は、この体制でなければ得られません。教科書ではなく実務のやり方が基準になります。
相性の問題は避けられないため、説明会や体験授業で講師との距離感を見ておくことが対策になります。
理由5:就職率の見せ方が有利すぎる
公表されている就職率は、分母が「クリエイティブ分野への就職希望者」です。この作り方への疑問が、やばいの一因になっています。
ただしバンタンは算出方法と実人数まで公開しています。定義を隠したまま高い率だけを掲げる学校より、確認はしやすい状態です。
第5章で中身を具体的に見ていきます。
検証①:認可されていないと、何が変わるのか
ここが最大の論点です。認可の有無で変わるのは、学ぶ内容ではなく卒業時に得られる資格と、制度上の扱いです。
認可された専門学校と、無認可のスクールの違い
認可校(専修学校)
- 専門士・高度専門士の称号
- 大学への編入学資格
- 通学定期の学割が使える
- カリキュラムは基準に沿う
無認可(バンタン)
- 称号は付かない
- 編入学資格は得られない
- 学割は使えない
- カリキュラムを自由に組める
専門士は修業年限2年以上などの要件を満たし、文部科学大臣が認めた課程の修了者に付与される称号。
図2:認可校と無認可校で変わること
専門士の称号が付かない
専門士は、修業年限2年以上などの要件を満たし、文部科学大臣が認めた専修学校の課程を修了した人に付与される称号です。無認可のスクールはこの対象になりません。
専門士が付与される課程の要件は、大学への編入学が認められる課程の要件とほぼ一致しています。称号が付かないことは、編入学資格が得られないことと表裏の関係にあります。
影響が出る場面と、出ない場面
この差がどこに効くのかは、進路によって大きく変わります。
称号がないことは、進路のどこに効いてくるか
卒業後の進路をどう考えているか
▼
クリエイティブ職に就く
- 採用はポートフォリオ中心
- 称号の有無は問われにくい
大学編入・一般企業も考える
- 編入学資格が得られない
- 大卒要件の求人に応募できない
迷いがあるなら、大学部(通信制大学との併修)で大卒資格を取る選択肢もある。
図3:無認可が影響する場面と、しない場面
ゲーム会社やCG制作会社の採用は、作品審査が中心です。学歴要件を設けない求人も多く、称号の有無が直接効く場面は限られます。
問題になるのは、進路を変えたくなったときです。大卒を応募条件にする一般企業や、大学編入という選択肢は取れなくなります。
通学定期と奨学金の扱いも変わる
認可校であれば、通学定期券の学割が使えます。無認可のスクールは対象外となるため、通学費の負担が変わってきます。
日本学生支援機構の奨学金も、認可校であることが前提の制度です。利用を前提に資金計画を立てている場合は、事前に確認が必要になります。
バンタンには提携の教育ローンと学費クレジットが用意されています。分割で払う手段そのものはあるので、条件を説明会で聞いてください。
不安なら大学部という選択肢がある
バンタンには、通信制大学と併修して大卒資格を取る大学部があります。専門スキルと学位の両方を狙える仕組みです。
ただしバンタンの学費と大学側の費用が別々にかかります。2つを合計した総額で判断してください。
検証②:学費は結局いくらか
公式の学費一覧から、東京校のゲーム学部2年制を例に見ていきます。年間学費は147万円です。
東京校 ゲーム学部2年制の年間学費147万円の内訳
- 設備充当費34万円
- 授業料90万円
- 実習費23万円
別に入学金15万円(初年度のみ)と教材費がかかる。2年次は入学金なしで同額。
図4:年間学費の内訳
ここに入学金15万円が加わります。入学金は全学部共通で、一度納入すると理由を問わず返金されません。
2年次は入学金がかからず、同じ147万円を納めます。教材費は学費に含まれず、別途必要です。
通い方によって総額は350万円変わる
バンタンは通い方の選択肢が多く、それによって総額が大きく動きます。入学金を含めた卒業までの総額を並べます。
入学金15万円を含めた、卒業までの総額(東京校)
通い方によって総額は350万円の幅がある。教材費は含まない。
図5:通い方別に見た卒業までの総額
注目したいのは、3年制・4年制の年間学費が2年制より安い点です。実習費が23万円から18万円に下がるため、年額は142万円になります。
ただし通う年数が増えるので、総額では2年制を上回ります。年間の安さと総額の高さを混同しないでください。
校舎と学部で年間学費は変わるのか
結論から言うと、通学コースの年間学費は全校舎でほぼ共通です。校舎によって開講している専攻が違うだけです。
東京校と大阪校は2年制の専攻が多く、名古屋・福岡・札幌は3年制が中心です。志望校舎に自分の専攻があるかを先に確認してください。
返金のルールは厳しめ
公式には、入学日または進級日である4月1日以降は、理由を問わず学費を返金しないと明記されています。
入学金についても同じく返金されません。迷いがある状態での納入は、そのまま損失になる可能性があります。
検証③:就職率90.5%はどう読むか
公式が公表している最新の実績は、2026年3月卒業生で就職率90.5%です。就職人数は468名、分母となる希望者は517名でした。
就職率90.5%の分母に入っている人・入っていない人
- クリエイティブ分野へ就職が決まった人468名
- 希望したが決まらなかった人49名
- 分母から除かれる人:卒業不可者
- 分母から除かれる人:就職する意志のない人
- 分母から除かれる人:クリエイティブ分野以外を希望する人
2026年3月卒業生実績。分母はクリエイティブ分野への就職希望者517名。
図6:就職率90.5%の内訳と、分母から外れる人
分母から除かれるのは、卒業不可者、就職する意志のない人、クリエイティブ分野以外を希望する人の3種類です。
つまりこの数字は「クリエイティブ分野を希望した人のうち、何割が決まったか」を示しています。卒業生全員を分母にした数字ではありません。
それでも評価できる点
算出方法と実人数を明記している学校は、実は多くありません。就職率だけを大きく掲げ、分母を示さない例もあります。
定義と人数を開示していること自体が、確認可能な情報として価値があります。数字を鵜呑みにせず、定義まで読めば判断材料になります。
他校と比べるときの見方
就職率を他校と比べるなら、まず定義をそろえてください。分母が卒業生全員なのか、就職希望者なのかで数字はまったく違います。
定義が公開されていない学校とは、そもそも比較が成立しません。率の高さより、定義を開示しているかを先に見るほうが確実です。
雇用形態は問わない点に注意
グループの説明では、就職・就業の決定数に雇用形態を問わないとされています。正社員だけを数えた数字ではありません。
正社員での就職を前提に考えるなら、説明会で内訳を質問してください。就職先の社名と職種は公式に公開されています。
それでも選ばれている理由
批判の一方で、毎年多くの学生が進学しています。制度の代わりに得ているものがあるからです。
- 講師が全員現役クリエイターで、現場の作り方を直接学べる
- 認可校の基準に縛られないため、カリキュラムを業界の変化に合わせて変えられる
- 企業と連携した制作プロジェクトの機会がある
- 少人数クラスで、講評を受ける回数が多い
認可を受けないという選択は、自由度と引き換えです。制度上の保証を取るか、現場に近い環境を取るかという判断になります。
運営元がKADOKAWAグループである点も、企業連携のしやすさにつながっています。出版・アニメ・ゲームの事業を持つグループとの距離が近い環境です。
ただしこれは学校側の強みであって、個人の成果を保証するものではありません。環境をどれだけ使い倒せるかは本人次第です。
出願前に確認したい5つのこと
行くと決めたら、順番に確認して失敗の芽を摘みます。
出願する前に必ず確認したい5つの順番
公式の学費表で、志望コースの年間学費を確認する
▼
入学金15万円と教材費を足して、卒業までの総額を出す
▼
認可校ではない点が、自分の進路計画に影響するか考える
▼
就職実績は率ではなく、就職先の社名と職種まで見る
▼
説明会で「4月1日以降は返金不可」の条件を確認する
図7:後悔しないための確認手順
とくに1と2を先にやってください。学費は年間の金額だけが目立つため、総額を自分で計算しないと判断を誤ります。
3は保護者と共有すべき項目です。称号や編入学の話は、本人より保護者のほうが気にする場合があります。
4は説明会で直接聞くのが早い項目です。公開されている就職先の社名を見て、自分が行きたい会社が含まれるかを確認してください。
5の返金条件は見落とされがちです。4月1日を過ぎると学費が戻らないため、迷いがあるまま納入すると選択肢がなくなります。
最後に、自分に合う通い方を確かめておきましょう。
よくある質問
バンタンゲームアカデミーについて、進路相談で多い5つの疑問に答えます。
バンタンゲームアカデミーは専門学校ではないのですか?
学校教育法上の専修学校ではありません。公式サイトでも「専門校」と表記されており、認可校に付与される専門士の称号は得られません。
学費は総額でいくらかかりますか?
東京校ゲーム学部2年制の場合、入学金15万円と年間学費147万円の2年分で合計309万円です。3年制は441万円、オンライン学部は233万円で、教材費は別途かかります。
大学への編入はできますか?
専門士の称号が付与される課程ではないため、その資格による編入学はできません。大卒資格が必要なら、通信制大学と併修する大学部を検討してください。
就職率90.5%は信用できますか?
算出方法と実人数が公開されているため、定義を理解したうえでなら判断材料になります。分母はクリエイティブ分野への就職希望者517名で、卒業生全員ではありません。
途中でやめたら学費は返ってきますか?
入学日または進級日である4月1日以降は、理由を問わず返金されないと公式に明記されています。入学金も同様に返金されません。
まとめ:やばいかどうかは、進路の前提で決まる
本記事では、バンタンゲームアカデミーがやばいと言われる理由、無認可であることの意味、学費の総額、就職率の読み方について解説しました。
批判の中心は制度と金額であり、授業内容への否定は目立ちません。クリエイティブ職一本で進むなら、無認可であることの影響は限られます。
逆に、大学編入や一般企業への就職も選択肢に残したいなら、前提そのものが変わります。
判断材料は、公式の学費表で出した総額と、算出方法つきの就職実績の2つです。評判ではなく数字を見て、自分の進路に合うかを決めてください。